硅砂組個展 『結界をむすぶ 境界をほどく-Shape borders and discover borderless-』8.27(sat)-9.4(sun)
硅砂組 個展
結界をむすぶ 境界をほどく-Shape borders and discover borderless-
Keisagumi glass and stone exhibition
会期|2022年8月27日(土) - 9月4日(日)
休廊|9月1日(木)
OPEN | 12:00-18:00
硅砂組は、田上惠美子と田上拓によるアートユニット。 岩石・鉱物・ガラス・金属等、様々な素材による表現を模索しています。
研磨、バーナーワーク、キルン、サンドブラスト、金銀銅プラチナ箔の熔着といった技法を、各メンバーが分業/統合して制作しています。
その作品の特長のひとつが複合的な技法が生みだす様々な表情の対比。自然のままにできあがった岩石の肌と、人の手でシャープに研磨された鋭い面の対比は「削る」というプリミティブな技法でありながら、とても現代的でシャープな表情を見せてくれます。
ユニット名の「硅砂」は多くの岩石の主成分で、ガラスの主原料でもあります。岩石は鉱物の結晶によって構成される一方、ガラスは固体でありながら結晶の構造を持たない特異な物質でもあります。同じような成分でありながらも、全く異なる質感と構造を持つ岩石とガラス。
今回は漆や紙繊維といった素材も土台として加え、物質としての対比を美しく視覚化します。
バーナーワーク/キルンワーク/研磨
2022
バーナーワーク、キルンワーク、 サンドブラスト、紙漉、漆塗、柿渋塗
2022
破砕、研磨、紙漉、漆塗、柿渋塗
2022
Artist Statement
岩石に景色を見出し、ガラスの形に意味を付ける。 それらを然るべき形に整え据える。
制作にまつわる全ての行いは結界である。 素材を日常から分離し作品を作品たらしめる儀式。 我々は物体と世界の間に結界を結んでゆく。
一方で、そうして結界を用意すればするほど、物体そのものには境界が無い事に気付いてゆく。 叩き割った岩石の破面が数千万年ぶりに陽光を浴びる瞬間は、悠久の変動の一部分でしかない。
冷却し完全に硬化したガラスの中でも、分子は絶えず動き回り続けている。 漆板の上にそれらが添えられても、何も特別な出来事は起きていない。
出来事は絶えず連なり起こり続けていて、そこに境界はない。
硅砂組 プロフィール
田上惠美子:
立命館大学文学部心理学専攻卒業 一九九〇年頃よりガラス制作開始。
伊丹国際クラフト展
日本現代ガラス展
日本クラフト展
現代ガラス大賞展富山
日本伝統工芸近畿展など入選入賞。
バーナーワーク・キルンワーク・ サンドブラストにより作品を制作。
田上拓:
京都工芸繊維大学機械システム工学課程卒業
京都現代写真作家展入選
美術工芸品の写真撮影、レンズの改造を手掛ける。 研磨・キルンワーク・バーナーワークによる ガラスや石の作品を制作。